2017年12月17日

【音楽】My life/ZORN



「踏んだり蹴ったり散々な目 諦めることは簡単だぜ
 ガンガン前 人生一回 生きていたい ただ精一杯
 60wの栄光さ 全然金無くても成功者
 一本道を行こう 洗濯物干すのもHIP HOP」

「笑おう ほんのひとときを 咲かそう 日々に彩りを
 鳴らそう 好きな音楽を 上がろう 上がろう
 今週日曜どこに行こう その日のため6日を生きよう
 誰かの幸を願えたら きっともうこれ以上は無えんだな」


ゾクゾクするような悲痛さでHIP HOPへの覚悟を歌い上げた「震エテ眠レ」から5年……果たして当時のZORN自身が想像した“その時”に辿り着けたのかといえば、きっと違うのでしょう。
「大金や権力や地位や名声じゃない」と断じつつ「賭けるものがないんです、人生でいいですか?」とまで言い切り、まだ何者でもない自分を鼻で笑った「遠慮ねえ世間の目」を見返す為だけに、鍛え続けたライムスキルを振るって底知れぬ渇望を表現した同曲は、初期のブルーハーブを彷彿とさせる勢いと緊迫感に満ちた傑作であります。

しかし数年を経た変化を正直に映した「My life」にはまた別なベクトルで、大きな求心力が備わっていました。

かつては嘆きを込めて語った「繰り返しの生活」について、今なお「題名なんて付いてない日」「昨日も今日もまあ変わりない」と同様に綴りながら、守りたい人の傍で歌いたいことを歌う日々を慈しむようになった彼は、自らを“成功者”と称し、胸を張ってその心情をラップします。
緩やかな毎日を先への助走期間と捉え、夢は捨てず、誇りを持ってまだまだ精進していくけれど、愛する家族と過ごす「地味で泥臭い日常」にも「なんつーか 生きる意味を痛感」し「心が揺さぶられる瞬間」を見出している。
そんな男から生まれるのは紛れも無いHIP HOP。伝えたいことを伝えられるならば「洗濯物干すのもHIP HOP」なのです。
posted by ムラカミハジメ at 02:26| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする